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お役立ちコラム

2019. 05. 14

袋から出してしまわなきゃいけない理由

「お洋服はクリーニングの袋から出しておしまい下さい」

クリーニング刑事が知っていたように、皆さんもご存知ですよね?

あの袋(クリーニング店ではガゼットと呼んだりします)は、せっかくきれいに仕上げたお洋服を汚したくないという思いからかぶせています。

ではなぜわざわざ袋から出さなければいけないのでしょう?

ガゼットはお店で預かっている間やお持ち帰りになる間、お洋服を汚さないためのあくまで短期間の使用を前提としているので、長期的な保管には不向きなのです。

例えばクリーニング店では仕上げに多くの蒸気を使う場合があります。

基本的にはよく乾かしてから包装しますが、急ぎの場合や衣がえ時期などの繁忙期には不十分なまま包装することもないとは言えません。

ビニール袋の中でお洋服が湿った状態のまま長期間放置されると、カビなどの原因にもなります。

また、ドライクリーニングのあとのお洋服は乾燥機で乾かしますが、まれに乾燥が足りない場合もあります。

ドライ溶剤は比較的早く蒸発してしまいますが、袋に閉じ込められると乾燥しきれず、そのままの着用で健康被害が起きる場合もあります。

それから、ビニール袋に使われている成分と空気中のガス(窒素酸化物

や亜硫酸ガス)とが反応して、黄ばみをおこしたりすることもあります。

とは言え、ほこりからお洋服を守りたい。しわが寄らないように守りたい。ので袋から出したくないなぁという方もいらっしゃいますよね。

デラックスやロイヤル、ハイクラスと言ったクリーニングのコースによっては、不織布の使われた通気性の良いガゼットでお返しすることもありますので、そのまましまい込みたいお客様にはご利用のクリーニング店で相談されてみてもいいですね。

ライター

クリーニスタ吉瀬

洗濯工房ラスカル店主 https://rascal.co.jp

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