お役立ちコラム

2019. 03. 24

育児主婦だって白が着たい! 白い服の正しい汚れ落としについて クリーニング界のファンタジスタに聞いてみた。

WORD:LOBEをご覧のみなさま初めまして。

ライターのイセキと申します。ちなみに2児の母です

 

 

 

突然ですが奥さま方、白い服はお好きですか?

白い服って、いいですよね。

着るだけで清潔感が爆上がりするし

冬の白はオシャレ上級者っぽさを演出できるし

七五三やお宮参りといったセレモニー服にも欠かせません。

 

なにより、顔色くすみがちな育児主婦には

白のレフ板効果が最高にありがたい!!!

着れるものなら毎日でも着たい白い服。

しかし、現実はそう甘くないもので…。

ミートソースをべっちゃり付けられたり

 

泥んこ遊びの直後に「ママ〜」と抱きついてきたり

気がついたら謎のサインペン汚れがあああァァァァ

 

などなど…。

乳幼児との生活には、頻繁にトラップが仕掛けられているもの。

「公園や外食の予定がある日は着ていかない」

「汚されても精神的ダメージの少ないUNI●LOしか着ない」

といった自分なりの防御策を立ててはみるものの

何事も思った通りにいかないというのも、育児あるあるです…。

 

 

 

それでも白が着たい!なら洗えばいいじゃない!

そこで今回は、熊本クリーニング界が誇るファンタジスタ

すなわちCLEANISTA(クリーニスタ)を直撃!

『洗濯工房ラスカル』代表の吉瀬史康さんにお話を伺ってきました。

こちらが吉瀬さんのお店。フランチャイズではなく

自社で洗いから仕上げまで一貫して行っている個人店なんですね。

「洗濯工房」という文字が心強い…!

 

 

こちら、イセキがうっかり汚れの際に活用している4種の神器。

なんか適当に使っているけど、それって正しい用法なの???

そのあたりも、ガッツリ聞いていきますよ!

 

 

吉瀬さん、よろしくお願いしまーす!

 

早速ですがコレ(携帯用シミ取り剤)どうでしょう。

お店でうっかり食べこぼしが付いちゃったときに

とりあえずと思って使っているんですけど…。

 

吉瀬

悪くないですよ。万能というわけではないですが

アッ!やっちゃった!という瞬間の応急処置にはグッドですよね。

 

イセキ

ホッ。よかった〜。

でも、完全に汚れが完全に落ちきらない気がしていて。

 

吉瀬

家に帰ってから漬け置きしておしゃれ着モードで洗濯するとか

クリーニング屋に持っていくとか、後処理をしっかりしないとね。

これだけで、完全に色素まで抜いてしまうことはできないと思いますよ。

 

イセキ

そうなんですね。「あ〜落ちなかった」と思って諦めてました!

 

吉瀬

そこからが本番なんだなぁ〜。

こういうアイテムはあくまで一次対応だと思ってください。

ただし、汚れが落ちてないからってゴシゴシ擦るのはナシね。

こういうとき、一番やっちゃいけないことって何だと思います?

…それは、お店のオシボリでゴシゴシ擦ること!

 

イセキ

マジですか!? 相当ゴシゴシいっちゃってました!

 

吉瀬

でしょ? よくある、薄いビニールに入った布のオシボリがよくないね。

あれってニオイをかいでみると塩素くさくないですか?

相当に強い塩素で漂白・殺菌されているから

あれでゴシゴシ擦ると強力な薬剤が洋服に付着するんですよ。

乾くと塩素が濃縮してしまうので、放置すると最悪。

見た目には分からないけど、めちゃくちゃ生地が傷みます。

 

イセキ

ひぇ〜。今度から絶対やりません!!!

漂白といえば、こんなの(スプレー漂白剤)もありますよね。

これも強めの薬剤が使われているんですか?

 

吉瀬

これは漂白剤のなかでも「ワイド」と書いてあるから

酸素系の比較的マイルドな成分が使われています。

そこそこ使用用途が広いってことですね。

 

イセキ

?????

酸素系以外もあるってことですか???

そういえば、さっき話に出てきたオシボリは

塩素系で漂白されてるって聞いた気がしますが…

 

吉瀬

そう。これは酸素系。塩素系とは汚れを落とす仕組みが違います。

ちなみに漂白剤は粉か液状かによっても効果に差がありますよ。

一般的に、粉末の方が漂白作用は強いんです。

粉末の酸素系漂白剤には、過酸化水素が使われています。

H2O2って覚えてます? 化学の授業で習ったと思うんだけど。

水はH2Oでしょ。さらに酸素が余分に入っているってこと。

その余分な酸素の成分が、水中で不安定に動き回るから

汚れを分解しやすいってことですね。

 

イセキ

えーーーーーーと

つまり「ワイド」とついてるやつは酸素系だから効き目が優しい

なおかつ液体より粉の方が効く、ということでよろしいでしょうか。

 

吉瀬

考えることを放棄したね(笑) それで合ってます(笑)

こういうケミカルな話って、クリーニング屋さんでも

知らない人が多いくらいなんですよ。

 

イセキ

そうなんですか? さすがクリーニスタ…!

 

吉瀬

ちなみに、食事でついた油性の汚れは

食器洗い洗剤でもよく落ちますよ。オススメです。

食器洗い洗剤って、洗浄力が高い割に安全性が高いから。

 

イセキ

なるほど〜! 確かに、口に入れるものを洗ってますからね。

 

吉瀬

脂溶性の汚れは本来、油性の洗剤で落とすのが一番なんです。

一般的な洗濯用洗剤は、油汚れを落とすことに特化してないから

なかなか単体でシミや食べこぼしをキレイにするのは難しいんですよ。

 

イセキ

勉強になりました。ちなみに、食事以外の汚れ、

例えば泥砂系ってどうしたらいいんですか?

 

吉瀬

そこで役に立つのが、固形石鹸です。

ちゃんと使い分けできてるみだいだね

イセキ

おお、使ってます、使ってます!

理由は特に理解してないですけど…(笑)

 

吉瀬

さっきお話した脂溶性の汚れ(食用油や皮脂)と違って

泥砂の汚れは油にも水にも溶けないんです。

だから、繊維の間から押し出すしかないんですよね。

 

イセキ

化学の次は物理だ! 物理攻撃しか効かない系なんですね。

 

 

 

真っ白に見える服=白ではない!?

吉瀬

石鹸が持つアルカリ性の成分で繊維を柔らかくしつつ

ヌルヌル滑りをよくして衣類を傷つけず汚れを押し出していくんだね。

いわゆる洗濯板を使ってジャブジャブ洗うと

女性やお子さんの力でもササッと汚れを落とせますよ。

 

イセキ

えー! 洗濯板!? この平成も終わろうという時代に?

 

吉瀬

あのレトロな洗濯板がいいんですよ〜。

騙されたと思って買ってみて(笑) 100均にも売ってるから!

でもね、このウタマロ石鹸には1つだけ落とし穴があります。

 

イセキ

万能じゃないんですか?(泣)

 

吉瀬

パッケージをもう1回よく見て。

「白をいっそう白くする」って書いてあるでしょ?

 

イセキ

書いてありますね。それが何か問題なんでしょうか?

 

吉瀬

人間の目が「真っ白だね!」って認識する色が

本物の白とは限らないんですよ。

 

イセキ

!?!?!?

(また難しい話になってきたぞ…)

 

吉瀬

私たちが「真っ白」と認識する色って

実はごくごく薄く青みがかっているんです。

だから、この石鹸、うっすら青い色がついてるでしょ?

 

イセキ

確かに! もしかして…?

 

吉瀬

そう、汚れを落としつつ、薄〜い青で染めてるんです。

だから、本当に真っ白にしたいならいいんだけど

オフホワイトとかベージュに近い白い服に石鹸を塗り込んで

洗うと、その部分だけ色が変わっちゃいます。

 

イセキ

なんてこった…!

「白をより白く」は諸刃の剣なんですね…

 

吉瀬

だから、同じウタマロ石鹸でも、青くないやつ買えばいいよ。

薬局とか100均に売ってますからね。

 

イセキ

あっさりと解決法が! ありがとうございます神よ!

この取材が終わったら即買いに行きます!

 

吉瀬

いつ、どうやってついた汚れか?

どういう種類の汚れか?

この2点がわかれば、大体の対処ができますよ。

 

イセキ

なんというか、推理小説みたいな感じですね。

物的証拠と状況証拠を揃えて真相究明的な?

 

吉瀬

そう! 自分でも「科●研の女」とか見ていると

近いものを感じますね。手がかりから真相を探っていくという。

これが楽しくて、クリーニング屋をやってるのかも(笑)

労力の割にもうかる仕事でもないですからね〜。

 

 

イセキ

ヒントが多ければ多いほど、真相に近づく

=汚れが落ちる可能性も高まるんですね。

 

吉瀬

そうですよ。大事な服をやっちゃったな思ったら

汚れの部分をサッと拭って、なるべく何もせずに

クリーニング屋に持ち込むのがいいですね。

そのとき「どうやって付いた、何の汚れなのか」

きちんと伝えることも大切!

 

イセキ

オシボリでゴシゴシ擦るまえに(笑)

 

吉瀬

そう、オシボリはいけませんよ(笑)

 

 

折角なので、洗濯工房の裏側も見せていただきました。

企業の制服や神楽衣装など、特殊なアイテムも手際よく仕上げていく

スタッフさんのプロの技に感動…!

 

 

吉瀬さん、ド素人の質問にも丁寧に答えていただき

本当にありがとうございました。これで白い服も怖くない!

読者のみなさんも、ぜひ白い服で春のオシャレを満喫してくださいね。

 

ライター

井関麻子

ライターで2児の母で長女です。エクレアと焼き菓子が好き。

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