特集
2020. 01. 14
洗濯は生きた心地がする家事なんだ
「洗濯ってかったるいな〜」と思う20代は多い。
「なんて、なんて悲しいことなんだろう」って言うのは、この事実を知った瞬間の私の気持ちだ。
洗濯は、私にとって生きた心地がする家事。
2日に一度、1日のうち2回、部屋の片隅に置かれた洗濯機がゴウンゴウンと唸りを上げ、日々の疲れや汚れを洗い流してくれる。
綺麗さっぱりして水を擦った洋服たちは、なるべくシワができないようにパンパンと伸ばして干していく。
そして、物干し竿と竿にかけられずカーテンレールにかけた服たちを見ると、なんとなく達成感が芽生える。
大変な作業で、洗濯機にお仕事を与えてしまったばかりに出発時間をずらす経験は何度もした。それでも、干し終わった後の光景を見るのは大好きだ。
もちろん、クリーニング屋を利用することもある。スーツ、ダウン、Yシャツ。時々、毛布やぬいぐるみ。
帰ってきた我が子たちが包まれたビニール袋を剥がし、私は今日もスタメンたちとともに生活をしていく。
でも、洗濯は嫌だと思いながらも、意外にも若者のクリーニングの利用率は少ないって知っているだろうか?
日本政策金融公庫が2015年に出した『クリーニングの利用動向、20代は二極化が顕著』を見ると
「最近1年間にクリーニング店を利用していない割合は 20 代が最も高く、約4人に1人。 〜中略〜仕事でスーツを着用する人のうち、自宅で洗濯できるスーツを所持する割合は 20 代が最も高く3割」
だという。
若者は、手間暇をかけない方法を見つけることが上手のようだ。
しかし、二つ目に多い回答は「節約」。みんなお金をかけたい場所は別にあるらしい。
もしかしたら私は、幼い頃からクリーニング屋と馴染みがあるから、クリーニングを利用したいと思っているのかもしれない。
クリーニング屋との出会いは、私がこの世に生を受けてからすぐのこと。
家から車で約10分のクリーニング屋へ母親と行くことが大好きだった。
だって、20年以上前でもう6〜70代のおばあちゃんがいつもペコちゃんのポップキャンディをくれたから。
グレープ、オレンジ、いちご。カラフルで、キラキラしていて、ちびっ子の心をくすぐるペロペロキャンディ。
キャンディに巻かれたビニールをべりっと剥がして広がる、あの甘ったるい香り。
「美味いね?」って毎度聞いてくれたおばあちゃんの顔。今でも覚えている。
小学生の時は、別のクリーニング店では下校途中にお手洗いを借りて、ここでもアメなどお菓子をもらって、話し込んで。
お母さんに怒られたこともあったな。
だからだろう、『洗濯は人をつないでくれるもの』との認識が強いから利用したくなる。
そして知りたくなった。「同世代は洗濯やクリーニング屋に対して、実際にはどんなイメージを持っているんだろう?」と。
そこで、「クリーニング店って使う?」と幼馴染にズバッと質問。25歳にもなれば結婚をした友人もいるので、バリエーション豊かな答えが返ってきた。
『クリーニング店を利用する?しない?』では、アウターやスーツのためにと自分で洗えない洋服が多いよう。
ただ、半年か年1回と頻度は少ない。
やはり、洗う、干すが大変だとどうしても億劫になってしまうようだ。しょうがない、人間だもの。
面白かったのは、『洗濯を嫌だと思う時、どうすれば改善されると思う』という質問。
「もはやしょうがないと思ってる(笑)」「気合いでやるしかない!」って結構マイナスイメージ。
ならば男性と女性の視点では違うのかと思って、一人暮らしをしている後輩くんに聞いてみれば
洗濯って嫌になることはあり、改善点は「ルーティン化する」とか効率重視のようで。
また、『どんなサービスがあったらクリーニング店を利用したい?』と聞いてみると
洗濯機を買わない学生などが定期的に洗濯できるような仕組みがあればいいかなとは思うと、ものすごく欲しいサービスを提案してくれた。ご協力いただきありがとうございました。
お答えいただいた皆さんの回答をみると、なんとなく洗濯は「面倒くさいな〜」と思ってしまう家事の1つとの考えは一緒のようで。
でも、クリーニング屋には汚れを落とす技術も高く、ロッカー型の無人クリーニングサービスも登場している。
ロッカー型無人クリーニングの設置場所は、どんどん拡大している。某大型ショッピングセンターや書店の入り口など。
『24時間クリーニング店に洋服を持っていくことができて、終わったらメールが来るサービスがあったらクリーニング店を利用したい』
こんな若者の気持ちを実現する時代は、到来しているようだ。
若者よ、今は学校だ、仕事だ、恋愛だ、結婚だ、いっぱい、いっぱい”アオハル”をしたい時期だよね。
「若い内に色んな経験ができるってすごいことだよ」
なんて、経験を積んできたオトナたちから言ってもらえたら、家事は少しでも簡単にしたくなる。
だったら、時間を買う経験をしてみても良いんじゃないかな。
それか、クリーニング屋の店員さんとおしゃべりをしてみるのもアリだろう。会話しちゃダメなんてことはないと信じている。
クリーニング屋を利用する理由なんて千差万別だろう。
それでも、「かったるいな〜」から「洗濯して良かった〜」に変わっていくはずだ。
ライター
Maria Nakayama
「書ける、撮れる、出れる」 熊本のフリーランスライター×モデルです 。 地方経済雑誌記者と営業を経験後、ライターとモデルに転身、2年目の25歳 。イラスト・カメラ・編集・プレスリリース作成も担当しています。